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管理人の日常やら愚痴やら何やら。
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な鰤SS「夢現の中で」後編。
読んでくださってる方は分かると思いますが中編もなかなか中途半端でしたが今回も中途半端。それに加えて長いです
っていうかちゃんと終わってないのでまだ続きます(爆)後日談的なね
だって…続いて書きたかったけどさ、長いんです!これ以上書いちゃうと本当に長くなっちゃうから
読んでるほうがうだうだしてきちゃいそうだったから;実際私も読み直して「長ぇよ」って思いましたから←

そうですよ!話変わりますけどアビスアニメ化!!公式サイトに行けばアニメ絵を見ることができますが、弱冠ゲームとは違うんですよね~
でもいいんだ!こっちで映るから!(コレ重要)
みんな!アビスファンのみなさん!むしろ赤毛ファンのみなさん!動く赤毛が今秋より毎日放送で見れますぞ!!

さぁさぁ。九月には鰤の映画のDVDが届きます@隊長に会えます
そして十月にはアビスアニメで赤毛に会えます

では鰤SS。お読みになる方はどうぞ@




「隊長…」


静かな部屋の中、隊長の寝息と身じろぐ布擦れの音がする
隊長の頬に手を当てながら考える
隊長はまだギンのことが好きなんだと


「何やってんのよ、ギン…」


置いていかれることが辛いのはよく知っている
あいつはいつだって、何も言わずに行ってしまうから

隊長が我慢していたことも知っていた

三番隊の近くを通るとき辛そうな顔することも
部屋に帰ってもなかなか眠れないことも
眠れたとしても、夢に見るあいつのせいで目が覚めてしまうことも

あいつに




















ギンに会いたくて泣いていたことも

まぁこれは裏切り直後ぐらいのことで、今はそんなことないみたいだけど
会いたいのは変わってないのね…だってこんなにも

隊長の髪を一撫でし、布団を掛けて部屋を出る


「もうすぐ来ますよ」


なんとなく、確証はないけれど
その不確定ながらどこか確信していた私は、部屋の窓を少しだけ開けておいた


























全てが闇に包まれた瀞霊廷の夜
見回りの死神たちの間を強い風が吹き抜けていた

だが本当にそれは、ただの風だったのだろうか






















―カタンッ…
「ん…?」


物音に気付いて漸く目が覚めた
本当に今日はよく寝た
外を見れば真っ暗で、少し肌寒いぐらい……


「何で窓開いてんだよ…」


寒いわけだ
いくら日中は暖かいとはいえまだ夜は上着がいるぐらい寒い

さっきの音は風が窓を叩いた音だったんだな…
そう思い、窓を閉めようと立ち上がろうとした瞬間


―ぐいっ
「ッ!?」


腕を引かれそのまま後ろの誰かにぶつかった


「ッ誰だ!」


隊長格の部屋に無断で忍び込めるやつなんて早々いない(まぁ…今日は俺が全く気付かなかったわけだが…)
腕を振りとき相手に振り向いた瞬間…強く抱きしめられた

相手の顔は見えない
俺の肩に押し付けるように埋めていたから


「ッ離、せ!……?」


相手の肩を押し離れるよう試みるが力は半端なく強く全く離す気はないらしい
それどころか視界に入ったあるものに、俺は動けなくなった

冷静に考えて


何で気付かなかった?






この腕も













広い背中も














暖かい腕の中も
















この淡い銀髪も














全部全部、知ってる覚えてる

こいつは…

















「市、丸…」


思ったより声が震えた
返事はなく腕の力が強くなった
苦しいが、さっきみたいに抵抗はしない。否、できない…
無言で抱きしめるだけの相手にどうすればいいのかわからない

久しぶりなんだ、安心する
俺の全部があいつに包まれてる感覚


「冬…」


―ビクンッ

いきなり喋るから(しかも耳元で)ビックリしておもいっきし反応しちまった…
そんな俺に市丸は肩から顔を離さぬままクスクス笑っていた


「なに…笑ってんだよ」
「ん~?なんもあらへんよ…」

市丸はゆっくり俺を離し俺と目線が合うように座った
俺は立ってるのにこいつが座って目線が一緒って…むかつく


「久しぶり」
「……」


敵だ
こいつは敵だ、捕まえるべき反逆者…なのに

なにも変わってない
変わったといえば市丸の服が真っ白になってることぐらい
こいつは何も…市丸自身は何も変わっちゃいない


「何しに、きたんだよ…」
「何しにって…冬に会いにきたんやけど?」


何言うとんの?と言わんばかりにキョトンとした顔をする市丸


「…ッふざけんな!」


思わず叫んでしまった
勝手に裏切って勝手に俺から離れていったのに今更何を言ってるんだ
俺は…


「俺は!ずっと、お前に…!」


会いたかった、とは言えなかった
だってこいつにとって俺は『遊び』相手なのだから

これは俺の独りよがり

知らない間に目には涙が溜まっていたらしい
市丸の指が零れ落ちそうな涙をすくった


「なん、だよ…ッ触るなよ…!お前は俺なんか、どうでもいいくせに!」


―ピタッ
目元をぬぐう市丸の指がとまった
だけど一度溢れだした言葉はとめられなかった


「お前は!俺のことなんか本当は好きなんかじゃないんだ…ッ!遊び、だったくせ…!?」


―ダンッ!!
「…痛ッ」
「なに言うとんの」


痛いと思ったときには既に押し倒されていて
床にたたき付けられたのだとわかった
両腕は顔の横で固定されて、見上げれば市丸の顔があった

酷く哀しそうな…

なんでお前がそんな顔すんだよ…


「本気で言うとんの?遊びやって」


感情をあまり表にださないこいつの、哀しいながらも含んでいる怒気に俺は声を出せなかった
ただじっと市丸の顔を見ているしかできない


「覚えてへんの…?」
「ぇ…?」
「言うたやん。忘れやんといてって」


忘れてもうた?
と泣き笑いみたいな顔をする市丸にさっきまで見ていた夢を思い出した



















「なぁ」
「なんだよ」
「忘れやんといてな」
「唐突だな…何をだよ?」
「僕が君を好きやぁいうこと」
「い、いきなりなんだよ?」
「ん?愛の再確認や♪」
「愛とか言うな!///」



















「ぁ…」
「君は冗談や思うたかもしれんけど、僕は本気やった。瀞霊廷を裏切ることは昔から決まっとったし…」


市丸は俺を見たまま話し続けた
俺も、目を離さなかった


「もし藍染はん裏切ったら、あの人は絶対に冬を狙っとった」
「俺…?」
「あの人は自分の障害になるもんは全部消す、そういう人なん。僕が裏切った理由が冬のためなんて知れたら、確実に殺されてるで」
「じゃあ、お前が藍染に付いたのは…」


―俺のせい
という言葉は言えなかった
自惚れているようで嫌だったから
それに俺のせいで市丸が裏切り者になったと考えると…


「冬のせいやない」
「え…」
「僕が勝手にしたことや、冬が責任感じることとちゃうよ」


―せやから気にせんで
そう笑って言う市丸は俺の上から身体を起こした


「そろそろ戻らな。いくら霊圧消しとっても総隊長はんとか気付きそうや」


苦笑いしながら俺から離れようとする市丸の袖を掴んだ
市丸は驚いてたけど構わなかった

今はまだ…離したくなかった


「まだ…行くな。まだ…ここにいろよ」


声が震える。もしかしたら泣いてるのかもしれない。でも構っていられなかった
今しかない、次に会う時は刀を向けなくてはいけない…そんな気がするから


「もう一回、約束しよか」
「約束?」


ずっと離さない俺の手を握りかえして小指を絡める


「僕はずっと君が好き、愛しとる。たとえ離れとっても、それだけは変わらへん。忘れやんといてや?」
「俺はお前を…好きでいていいんだな」
「当たり前や」
「そうか…」


当たり前だと、そう言ってくれることにどれだけ安心したか
ボロボロ涙を流しながら笑った
市丸も笑ってた


「嬉し泣き?」
「…さぁな」


市丸の手が頬に触れ顔が近づいてくる
俺は黙って目を閉じた


















後編:終





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弥雲 珀
年齢:
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性別:
女性
誕生日:
1988/05/16
職業:
学生
自己紹介:
大仏が有名なとこに住んでるヲタの部類に入る女子です
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